東03 イル・リストランテ・ネッラ・ペルゴラ [東京・広尾]
ロケーションはとたんに地下やビルの2、3階の店ばかり。
重度の一軒家好き(R)としては、いくら東京とはいえ
どーーしても妥協できない!!!
で少し高いかな、、と迷いに迷って選んだのがイタリア料理の リストランテ「ペルゴラ」
■ il ristorante nella PERGOLA イル・リストランテ・ネッラ・ペルゴラ
東京都渋谷区広尾3-2-13
03-5464-1288
地下鉄を乗り継いで、最寄駅から徒歩15分ほど。
東京にしたらそこそこ遠い。
芸能人も多く住む高級マンション街「広尾ガーデンヒルズ」や有名な中高お嬢様学校、ロシア方面国だったような○○大使館といったセレブ感満載なストリートを抜けた場所にある。
まずは広いレセプションスペースで、黒スーツ&白シャツで決めた
サービスの方二人のお出迎え。
ホテルマンのようにピシっと決めた、ソムリエらしきお兄さん
(胸にバッジあり)と、私と同世代くらいのにこやかな女性。
ノータイ&笑顔のせいか、余計なかしこまった感はしない。
店内にテーブルはわずか6卓。
フロアの奥には、テラスと蔦(ペルゴラ)の絡まる中庭がライトアップされ、静かに浮かんでいる。
落としぎみな照明の、ごくごくシンプルな空間。
テーブルにはシャリッと気持ちのいい、白い麻のテーブルクロス。
中庭以外に目をひく装飾はなく、なんだか意外なほど。
先にいたお客さん、普段着の30代~50代のご夫婦や外人カップル。
近所に住んでます風で気取った感まるでナシ。
料理もワインも進んで、話も盛り上がってとっても楽しそう。
と、ここまで見渡してやっとひと息。
自分たちが場違いだったらヤダナ…と実はお出迎えされた時から
気が重かったけど、どうやら大丈夫そう♪
(正装にしてこなくてヨカッタ…)
さて、ディナーは7000円のプリフィクスコースのみ。
コースの4皿を各5~6種類の中から自分で決めるスタイルだ。
(アミューズ、パンと食後の飲み物も料金に含まれてる)
メニューを渡されたA氏、自分の食べたい皿が(+500円)(+1000円)などと
但し書きがあるので、ちょいご立腹モード。
オーダーは以下のとおり <上がネル>
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☆アミューズ(先付みたいなもの、これはお決まり)
桜えびとうずらの玉子のココット
☆アンティパスト(前菜)
さよりのカルパッチョとキャビア
鮑と春野菜の蒸し焼き
☆プリモ(パスタ)
ズワイガニと鶏のトサカのラガーネ
魚介の卵のタリオリーニ
☆セコンド(メイン)
マナガツオのグリル
イベリコ豚のロースト
☆ドルチェ(デザート)
ビターチョコレートとセモリナのフリット
ティラミス エスプレッソのグラニテ添え
--------------
で料理の味はというと、
うーん、これがどれもおいしいのだ。
A氏の分もつまみ食いしながら、野菜の味・素材の旨みがガツン
と直球で伝わってくるのにびっくりする。
素材の味なら静岡が上でしょ!と思ってたのが、全然違う。
アミューズの生桜えび。
七味の入った辛いオイルがアクセントになって、よくあるかき揚げ
なんかとはまた違った桜えびのおいしさ。
パスタのワタリガニ。
ネルのカニ料理史上、はじめて「おいしそう、、」って直感できる香り!
よくある甲殻類特有のくさみや冷蔵庫臭?が全くもってナイのだ。
カニ料理で「香ばしい」以外の香りがしないのって、はじめて。
厚目のきし麺状パスタと、濃いまったりしたソースも合っている。
食材の厚め・濃いめが得意じゃないネルにしたら、アツイもの同士の相性がいいと
とたんにおいしく感じられるのは新しい発見!
(コーヒーと牛乳、単品なら好きじゃないのに「コーヒー牛乳」なら飲めるコドモのよう!?)
淡白なマナガツオ。
炭焼きの風味がしっかり伝わってきて、ボリュームたっぷりなのに飽きずに食べきれる。
オーナーシェフはご両親が北海道で養鶏場を営んでるそうで
それもあってか、食材のレベルはかなりのもの。
どの料理もジノリの真っ白無地の大皿に、ドンッor ピシッと乗せられて。
食材の量感・おいしそうな色艶を引き立たたせる盛り付け。潔く、かつ繊細に。
サービスも丁寧で細やか。
・二人の食前酒がなくなる頃を見計らって、ワインリストが渡される
・グラスワインの白をと頼むと
「ではお二人のプリモ(パスタ)にあわせてお選びします」とソムリエお兄さん
二人のパスタに応じて、それぞれ別の白をチョイス
テーブルまで来てサーブ、ボトルからワイングラスに注ぎながら
「プリモの○○にあわせて、○○産の☆☆な感じのワインです」と説明あり
ネルのは貴腐ワインのようなトロッとした濃い目・甘め
確かに重めパスタと合っている
・お水はノーチャージ。
「北海道・登別の○○水」とラベルのある小ビンのセンを抜いてるのが見える。
・指先を洗うフィンガーボウル、必要な料理の都度出てくる
入ってるのは水じゃなくてぬるめのお湯(油がおちやすいように?)
小さくてキレイな、切子ようなカットが施されたガラスの器で。
ソムリエお兄さん話しかけにくい感じもするけど、もう一人の女性はいつもにこやか。
「この皿も、すごくおいしいんですよ~」てな笑顔といっしょに運んできてくれる。
そーか、東京はこんなのが洗練されたリストランテなんだぁ・・・、
とひとしきり感心。
しかも楽しい!?、演出アリ。
蒸し上げた大鮑が鉄鍋に入ったままテーブルへ。
A氏、説明されるまま鉄鍋を覗き込んでイザ食べようとしたら、
「では切り分けてお持ちいたします」
と大鮑は鉄鍋ごと下がっていった…!?
その後切り分けられた大鮑、野菜とともに皿の上で仕上げを施され、
アンティパスト「鮑と春野菜の蒸し焼き」
として再登場~♪
はじめの登場で食べる気マンマンになってたA氏、これには相当な拍子ヌケ。
おあずけを喰ったポカン顔が悲しそう(笑。
ネルは、内心大ウケ!
そーか、これって演出だったんだ!って気づくまで、テーブルでは
かなり微妙な空気が流れてましたが…(笑
で最後のデザートが、これまた。。
「ビターチョコレートとセモリナのフリット」、
カカオ分多め(勝手予想75%以上)のビターチョコを揚げてトロトロになってるとこに、
添えられたアーモンドのソルベ(シャーベット)と一緒に食べると、ん~、オイシイ!
「ティラミス エスプレッソのグラニテ添え」は
マスカルポーネのチーズベースを、板状の焦がしシュガーで挟んだ一皿。
これにショートカクテル用のグラスに盛り込んだ、エスプレッソのグラニテ(固形粒状の硬いシャーベット)が付く。
ふつう飲み物は凍らせると、水分と味が分離するはず。
なのにこのグラニテ、エスプレッソの香ばしさと苦味がギュギュギューーッと一体に
詰まって、これだけでも相当にイケてる!
これをマスカルポーネ&焦がしシュガーと一緒に口に運ぶと、
あ~ら不思議、今までにないティラミスが、、、(涙。。
甘い物にほとんど興味のないA氏も
「これ!?、、、ウマイよ!」思わず笑いが。
どちらも温度がオイシサを決める繊細なデザート。
このタイミングでこの瞬間、今食べ切るしかない刹那感が最高!
サービス料10%はイタイけど
この満足感があるならまたがんばって来たいと思えるお会計だった。
あーヨカッタ。。。
店を出た後は、東京タワー真横にできたばかりの
「東京プリンスホテル パークタワー」33Fスカイラウンジでひと息。
煌く黒で統一された、ゴージャスなラウンジ。
はるか高く伸びる天井、東京の夜景が広がる壁一面の窓に向かって
オペラ席のように階段状に配置されたボックスシート。
特等席なら東京タワーが超特大の輝きで目の前に見える。
東京の夜景を見つめながら、ペルゴラで隣のテーブルに出されていた
セコンド「うずらのわら焼き」を選ぶべきだったか…とまだ考えてるネルなのでした。
<今回のお会計>
2万2770円・2名・サービス料10%
オーダー/プリフィクスコース7000円×2 (グレードアップ分+1500円)
食前酒(スパークリングワイン)×2、白ワイン(グラス)×2
<店を出て>
ネル:★★★★☆/高級店なのに、居心地良くおいしいものが食べられる店
食を楽しみたい人のための、肩ヒジはらないリストランテ。
一緒だったお客さんたち、みんなよく笑い、よく食べていたのが印象的。
ワインのボトル、もう少し手軽な値段(中心価格帯は1.5~2万円台だった)
があればもっと満足!
A氏:★★★★☆/ひさびさ、気持ち良く食事できる店
どれもボリュームがあっておいしい。こんな手の込んでるデザートもはじめて。
接客が気持ち良くて、食事を楽しめた。
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