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京05 あじ花  [京都・祇園]

「一年に一度、一見のお客さんやね~」 by笑顔

大将の軽いジャブ!?で始まった「あじ花」。
京都の店で一見さんやねって宣言されたの、初めてだ。

祇園とはいっても観光客とは全く縁のなさそうな細い一般道、大和大路の商店街。
コインパーキングや酒屋、草履屋、仕立て屋、八百屋といった小店が立ち並ぶ界隈を
さらに横道に入って路地傍にひっそり店を構えているのが「あじ花」だ。
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■あじ花 [京料理・割烹]
京都市東山区大和大路四条下ル大和町15
075-541-2781

「誰に聞かはったん? うちとこは紹介のお客さん以外、めったに来ない店やしな」
明るく聞いてくる大将。
って大将、ガイドブックに載ってること忘れてるらしい。
でも嫌味じゃなくて、ほんとに興味あるみたいな聞き方。

彫りの深いなかなか男前な顔立ちの大将。
60代前半位だけど、髪も目も黒々とイキイキしてる。
けっこう話好きな感じ。

でも。
今日は一人いる若い衆を他所の店に貸し出してしまったそうで、大将ひとり。
カウンター、小上がり2席の店内にお客はネルたちのみ。
さみしい店内。

ネルたちが京都人でも紹介でもないと分かって戸惑いぎみの大将。
そうでっか、一見さんでっか…。自分ひとりで知らんお客さん、やりづらいわぁ
そんな大将の心の声が聞こえてきそう。

料理は予約のおまかせ。筍がメインの予定。
先付はもずく。

まずはビールで乾杯。
出てきたコップは極薄はりの透かし文様入り。
やっぱこうでないと♪フツウのビンビールでもとびきりおいしく飲める。
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「桜見ましたかいな。京都は観光でっしゃろ。そしたら京都らしいもん出しますさかい」
なんだかぎこちない空気のなか、会話の糸口を探そうとしてくれる大将。
さっきから何度も同じ、円山公園の桜の話をしてくれる。

こういう店を予約しておきながら、
ネルもA氏も、カウンター越しの大将と場を持たせる会話がどうも上手くない。

もともとA氏は人見知り。
自分から話題を提供して場を盛り上げるタイプじゃない。
ネルもどうかといえば、静岡とは勝手の違う京都、
ベタベタの観光客と思われたくないせいか、あれこれ聞くのがためらわれる。

ネル・A氏とも各人それぞれ京都とのうす~い繋がりを話しつつ、大将との会話に精を出す。
ネルたちの意思を汲み取ってくれたかどうか、いろいろ京都らしい話をしてくれる大将。

しかし大将、ネルのふった話題が分からない&興味がない時は、かる~く知らんプリ(笑。
や、職人さんはそういうもの。

お造りは明石の鯛。かつてないコリコリ具合。
器は舟形、盛り付けはごくごくあっさり。
わさびはほの甘い、おろし立て。
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あまりの飾り気のなさに
そうか、この店は京都人がほっこりするために来る店なんだな
と今更気づく。

さて。
そうは言っても店の空気に慣れてくる。
ほの白く光るカウンターの触り心地、ほんとにやわらかい。

何のコーティングも施されてない木肌のままのカウンター。
まな板みたいな表面、赤ちゃんの肌のようにつやつや染みひとつない。
片手いっぱい広げた位にしっかり分厚い側面には、削りたてのような木のささくれまである。

「大将、このカウンター最近換えました?」
「もう店と一緒やし20年経ってますわ。若い衆が毎日いっしょけんめい、磨いてますし」

へええぇ~すごいな~。
寄りかかっても、コップを置いても、柔らかく受け止めてくれてすっごくラク。
静岡でこんなカウンター、見たことないなぁ。

「今踊りやってますさかい、見てったらええのに」
「宮川町の舞妓はんでひとりきれいな子がおってねえ…」

そうそう。
ネルも一度「祇園おどり」を見たことある。舞妓さんなんてまだ高校生くらいの年だから、もともとキレイな子とそうでもない子の差はかなり激しい(失礼)。

お客さんを迎えに舞妓さん・芸妓さんが来ることもしょっちゅうだとか。
そうか、舞妓さんといえど人気商売、同伴(とは言わないのかもしれないけど)もするんだよね。

それにしても大将、観光客向けの話題に難儀してる様子。
こちらも何を話せばいいか分からず、料理と料理の合間にしばしばし~んと間が空く。

はあ~、素直に観光客向けの店にしとけば良かったかな
なんか大将に余計な気ぃ使わせちゃって、悪いなあ…
A氏、もっとがんばって話繋げよ!(ってネルよ、オマエもな…)
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そして出ました、A氏の目の前に、筍どーん!
ネルの顔ごと入る位の大きな鉢に、ガツンと盛られた「筍の直か炊き」。

思わずA氏の鉢を覗き込むネル。
根の方も穂先も中間も部分が全部入って、箸で持つのがツライ位一つ一つのカットが相当大きい。

鉢も筍もあんまり大きいから、てっきりA氏の鉢から取り分けるんだと思ってたら
ネルの前にもどーん!同じものが。
うわ、びっくり。この大きいの、ひと鉢でひとり分だったのね…。

「それ塚原産の筍ですわ。同じ筍言っても、藪の手入れの具合でうんと味も値段も変わります」
「硬いでっしゃろ。その硬いのがほんまの筍のおいしいのですわ」

そうなんだ~、ワインの畑のようなの、筍にもあるんだ。
考えたことなかったなあ。
確かに噛み応えたっぷり。シャキっと、コリっと。
これ筍の硬さというより、カットが大きいから?

大きく口の開かないネルは途中で食べ疲れ。
「うまいうまいうまい」とハイスピードで平らげるA氏におすそ分け。


「たいのたい、知ってまっか」
は?何ですと?
「鯛の鯛」。

焼物は明石の鯛のカマ焼き。
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鯛の鯛とは。
すべて魚のカマ(胸ヒレのある辺り)には、魚の形に似ている“骨”の部分があるそうで。

とくに鯛の骨はその姿が美しく、江戸時代から縁起物として喜ばれてきたそう。

ネルはピンと垂直にたった見事な胸ヒレの鯛カマと格闘中。
タイノタイ??にはピンと来ず、二人の視線は無視。

いまいちな反応のネルに業を煮やした大将&A氏、一緒になって
「ほらっ!!」
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んんっ、、、何じゃこりゃ。。
目の前に突き出された、薄骨片。

まだ分かんないの、と冷たく結託する2人。
さっきからの話を総合すると、あ~~~~、たしかに・・・

カマ肉の隙間からぺこっとはがされた薄白い骨片、丁寧に魚肉をそがれたら・・・、
大きな目と背びれ・腹びれ、尾っぽがあって、魚に見える??

「これ縁起もんでっさかい、舞妓はんなんかえらい喜んでもって帰りますのや」
「ぺたっと壁に貼りましてな、一ヶ月もして飴色になったら財布に入れますのや、金運ようなるって」
(もうせっかくのええもん、分からんお人やなぁ)

わわわ、確かに大将、それはピンとこない私が悪かった~
や、なんかまだ緊張してて、そこまで頭が回らなくって。
せっかくの気遣い、乗り切れなくてすみませぬ。

A氏、俺は知ってたよ、ってな顔つき。
だったらもっと大げさに喜べって!

二人前出してくれた鯛のカマ、つまり鯛の鯛も2匹分。
ネルの鯛の鯛の方が立派♪
ヤッタネ、私の方が金運あるらしい

その間A氏は焼酎2杯目。
大将も勝手に飲っている。どんどん飲んでくださいな。

京都らしい料理はまだ続く。
粟麩の焼物
白魚の揚物

そしてネルの大好きな、湯葉!
「湯葉刺しですか!?」
大将、「くみ上げ」。
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あら。
筍も焼きが良かったし、湯葉も刺身が良かったけど、一回目からはなかなかね。

あったか、ほわほわの湯葉がピンクの素敵な器にたっぷり。
めくってはがして、なかなか減らない。
ほんのり甘いあったかいご飯みたい。素直な味だ。

穴子寿司
そして豆ご飯。

「ええ志ば漬ありますさかい、土産に持って帰りなはれ」と豆ご飯をよそう大将。
んん、なに?

出てきた豆ご飯、カウンター越しに見えるフツウの炊飯ジャーからよそってる。
でもちっともがっかりしない。
おいしければ、押さえてるとこ押さえてれば、気取りもハッタリもいらないんだよね。

豆ご飯と一緒に出てきた志ば漬、若い衆の知り合いの実家が漬物屋さんで、そこの一品だそう。
材料は、茄子・茗荷・赤しそ・塩。
これだけ。
調味料とか保存料とか一切ナシで漬けた、800年以上!続く自然な漬け方を今も続けてるらしい。

確かにミョウガもナスもイキイキして、摘みたての野菜の頃の風味がたっぷり残ってる。
実家のおばあちゃんが漬けてくれたような、やさしく冴えた味。

ふ~~ん、ふ~~ん、はじめてだぁ、こんな野菜モードの志ば漬。
箸が進んで、豆ご飯も完食。

もうおなかいっぱい。
一つ一つの料理、すべて素材勝負。体にいいものばかり食べた気がする。
ビールも全部飲んだし、A氏も焼酎で顔が赤い。

「そろそろお会計しましょか」
おっ、大将仕切りが早いね!
いいタイミングで声かけてくれる。

奥の冷蔵庫から出してきたのは、きちんと包装紙に包まれた志ば漬。
あーーお土産って言ってたのは、余ったの包むんじゃないんだ、
ホントの手土産なんだ~、ひぇ~なんか悪くないかぁ~。

ホントのサプライズは会計のとき。
「いい筍食べてほしいし、1万円位で」と予約時言われていたのにも関わらず、
出された会計は2名で1万8000円!

えぇっ、おまかせの料理だけで1万円じゃなかったの・・・
それも酒、志ば漬、鯛の鯛!?込みで?(サービス料とか祇園の場所代は・・・)

酔い心地のA氏、どんどん店を出てく。
なんか、望外によくしてもらったような気分。
でも「おいしかったです」以外にお礼の言葉が出てこない。

きっちり外まで見送ってもらい、後にした「あじ花」。

はぁ~、オツカレサマデシタ。
結局ラストまでネル達と大将のマンツーマン。
ネル達の予約がなければ、大将店休めたのにね(そう思うと申し訳なく)。
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緊張したし、おいしかったし、色んな話いっぺんに聞けたし、ちょっとネルには背伸びしすぎた店だったかもしれない。

京料理の素材の旬が短いことをたくさん話してくれた大将。
ネルの客としての格は足りなかったな…。

一見のネルたちを、きちんと楽しませようとしてくれた大将。
会計もどうなんだろう、正直相場が分からない。けどオマケしてもらった気がする。

いつかはネルも、大将を楽しませながら食事できるような粋な人になれたら、ね。
いい思い出、いっぱいもらった「あじ花」。
鯛の鯛、早く飴色にならないかな♪

<今回のお会計>
1万8000円・2名/おまかせ×2名、ビンビール1本、焼酎2杯

<店を出て>
ネル:★★★★☆/気さくで粋な、京都の割烹
    普段京都で高級店に行き慣れた(行き疲れた?)人が贔屓にする店、な印象。
    大将、話好きでいい人なんだと思う。
    女性よりは男同士、ひとり二人の気軽な飲み・食べの場にぴったりかも。
    
A 氏:★★★★☆/かなり気に入った
    他に客がいなかったせいか、すごい接待してもらったみたいで悪かった。
    筍おいしい、夏の鮎・鱧も食べ行きたい。
    京都行く予定立ーてよ。
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by gaisyoku_calendar | 2006-05-04 18:32 | 旅先_京都の[が]
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静岡在住30代・ネルの       静岡・京都・東京食べ歩き


by gaisyoku_calendar
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