京01 陶然亭 [京都・祇園]
05年10月にオープンした日本料理店「陶然亭」を予約ズミ。
骨董の小店やギャラリーが立ち並び、祇園一帯のなかでも比較的落ち着いた
新門前通り、女性誌にもよく登場する染色店「染司 よしおか」の斜め向かいだ。
■陶然亭 [日本料理]
京都市東山区新門前通大和大路東入ル西之町223-3
075・561・8024
手織りのような生成り色の渋い暖簾、鉢に張った水面に浮かぶ赤椿
黒い格子越しにみえるのは、高さ2m近い緑の流儀花。
暖簾に染め抜いた店名のほか、これといって看板もない店構え。
予約してなかったらとても入れる雰囲気じゃない。
店内はカウンター8席とテーブルがひとつ。
内装は京都の老舗「唐長」の唐紙(襖や壁紙に使われる和紙のことらしい)をふんだんに使ってコーディネートされている。
天井の濃紺に近い、真っ青な雲流柄が鮮やかに目を引く。
料理人のご主人と奥さんらしきサービスが一人。
客は私たちだけ。
坪庭の見える一番奥のテーブル席へ。
まだ30代後半位に見える奥さん、「オープンしたばかりなので、どうぞご贔屓に」
なんて人懐っこそうに挨拶してくれる。
観光客ウェルカムな話しぶりや飾り気のない笑顔から、販売系のサービスを
経験してきた人のような印象。
なんだ、こりゃ意外と気ラクでいいや☆
料理は3000円のコース
先付/青海苔の和え物(菜の花、長芋、蕨、茗荷)
造里/あぶらめ、鱒、海ぶどう
お椀/筍と若布炊き合わせ、木の芽
焼物/鱒の幽庵焼き、空豆焼、野蒜酢味噌添え
揚物/たらの芽、蕨、蕗の薹
お食事/山椒じゃこご飯、漬物、番茶
デザート/クレームブリュレ
コーヒー
先付を一口食べて「もうこれだけで満足かも・・・」
としばらく箸が止まるほど鮮烈な印象。
青海苔のさわやかで柔らかい磯の香りがふわっと広がる。
数ミリ単位で正確に切り分けられた長芋、とろっと青海苔が絡まって
なおシャキッと噛み応えあり。
菜の花をベースに、蕨、茗荷も上品なアクセント。
居酒屋さんや小料理店のおいしい料理とは明らかに違う
日本料理の整然として、どこにもスキのない味。
あ~~やっぱり京都に来てよかったぁ~。
器も楽しい。
有名料亭から独立したご主人が修行時代コレクションし続けていたものだそう。
素人目にも、これってアンティークな気がしない??風な、ぽってりと味わいのある器が
次々出てくる。ミニ片口のような濃いエメラルドグリーンの醤油皿、聞けば古伊万里だそう。
ネルは初めて古伊万里で食事しました(←カミングアウト)
料理を出すたびきちんと、楽しそうに料理の説明をしてくれる奥さん。
全体お早めなネル達にあわせて、すぐ次の料理を出してくれるからとってもラク。
これは他にお客さんがいなくてラッキーだったかな。
鱒が二回出てきたのは残念な気もしたけど、それで3000円に納まるならネルはOK♪
お造里二種もさびしいけど、魚なら静岡でもおいしいもんね。
きちんと旬の短いおいしいもの、
海ぶどうや、たらの芽・蕨・蕗の薹といった春の山菜が食べられたのがウレシイ。
京都にきたなぁ~~って素直に喜べる。
小さな器に上品に盛られたじゃこご飯、遠慮しいしい食べてるA氏。
空いた器を下げながら奥さん、「おかわり、いかがですか」とあっさり声をかけてくれる。
「はいっ、お願いしまっす♪」とA氏いいお返事。
デザートは水菓子かと思ってたら、意外やロバートナントカ?の赤×金アンティーク角皿
にのった白いココットのクレームブリュレが登場。
コーヒーも同じ西洋アンティーク、さくらんぼ柄の優雅なコーヒーカップで。
コレでやっとナゾが解けた気分。
正統派日本料理を出しながら、ちゃんとお客さんの満足を優先させているご主人
だったんだよね。
奥さんの意見も柔軟に取り入れてくれるご主人、優しいお人やね~(by京都弁)
なんて勝手に想像(笑。
まだできて半年ちょっと。
繁盛店になって予約が取りづらくなったら、コース内容も変わっちゃうだろうな。(寂しいケド、仕方のないことよ)
行くならこの秋までが狙い目かも☆
<今日のお会計>
7200円程・2名/お昼のコース3150円×2名、エビス(中ビン)900円
<店を出て>
ネル:★★★★☆/和食好きの女友達と再訪確実な店
3000円でこれだけ楽しめれば大満足。
静かな立地、和モダンで控えめな店内、美しい器など
今年京都で日本料理を楽しむには、イチオシの店。
A 氏:★★★☆☆/素直においしかった
京風の薄味だけど、食べやすくてボリュームもそこそこ。
次は夜のカウンターで大将と話してみたい。
じゃこご飯最高♪
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